第十六話「感謝 願いは叶う」
感謝 願いは叶う
しかし、1年が過ぎ区画整理工事も終盤にかかったころに、土地所有者の関係者から「本当に買いますか?大きいですよ、150坪有りますよ」とのお話が飛び込んで来たのです。造成中だったので、見た感じでは100坪は無いだろうと思っていた私はびっくりしたのですが、待ちに待ったお話に、飛び上がるほどの喜びを感じたのでした。
またも、夢のようなお話だったのですが、150坪(約500平米)という凄い土地で、売主さんも本当に私が購入可能かと心配して頂くほどの金額になるので、またもや購入資金に苦慮したのです。
当時、私の取引銀行は信用金庫がメインで、他の銀行は預金だけが有る程度で借入実績はまったく無く、申し込みを検討して頂いたのはやはり信用金庫、1行だけだったのです。
その上、借入希望額は相当な金額となり、信用金庫の審査も約2か月近く掛かる始末。
その時の信用金庫担当者は、本店の稟議がやっと下りて私に報告に来てくれた時には、審査に時間がかかった上に、あまりにも融資決定額が少なく、自己資金が相当必要となり、申し訳ないということで、涙を流して詫びてくれたのでした。
私はその誠意ある姿に感動し、次は私が頑張る番だと心を決め、自己資金の準備に奔走することになります。
まずは、万一の時の為に在庫していた貴金属や宝石を売却し、売却時期を待っていた美術品なども即刻売却、ストックしていた高額商品を一掃したのです。そして他銀行の定期預金も解約し、やっと、それに備えることが出来たのでした。
私はマンション建設を夢見ていたのですが、当時はマンション建設どころか、土地のみでも銀行融資が困難な状況だったのです。
おかげで、事業計画はとりあえずはコインパーキングしか考えられなかったのですが貸駐車場では月返済も大幅な赤字となるのです。
それでも私は、まずは土地だけでもと、購入を決めたのです。
本当に厳しい条件だったのですが、とにかく信用金庫のご支援を頂き購入することが出来たのです。
そして、毎月の返済額にはとても満たない収入のコインパーキングが完成したのです。
何はともあれ購入する事が出来たので信用金庫には心から感謝したのです。その信用金庫の担当者こそが後に、私の息子たちに講習をしてくれることになる銀行マンだったのです。彼はその後転勤していくのですが、異例の昇進を果たしているようです。
私は、この返済のために古美術八光堂の商売に拍車がかかります。
毎日、八光堂に出勤すると、目の前の土地、コインパーキングを眺めるだけでこの上ない喜びと満足感があり、先に向けての闘志がみなぎってくるのです。
そして2006年3月に、このコインパーキングは、相談に乗っていただいた地元の((株)中林建設とあお建築設計事務所のご尽力で、地上10階建のエスプレッソマンションパークスストリートが完成するのです。
約15年経った現在も、斬新で輝き続ける素晴らしいマンションで今も尚、私自身のシンボルマンションとしての思いは、変わらず持ち続けているのです。
その時から取引銀行も、りそな銀行、関西みらい銀行の強力なご支援を頂くことになるのです。
その後、同地区にセブンイレブン用地も購入することが出来て、現在盛業中のセブンイレブン日本橋西となるのです。